Q&A

医師主導型研究に関して

医師主導型研究とは?
“医師主導型研究”とは医師が主体となって行う研究のことを指し、“自主研究”という表現で呼ばれることもあります。これまで臨床データの多くは製薬企業が主体となって、承認申請を目的に取得されていましたが、実際の臨床で必要とされるデータはなかなか得られない状況にありました。それに対し、医師が主体となって臨床データを得てゆく研究を“医師主導型研究”と呼びます。
研究の依頼者は誰か?
研究計画は日本骨粗鬆症学会/A-TOP研究会が企画しましたが、この研究による直接的な利益を得ることはありませんので、研究の依頼者という立場の主体ではありません。財団はこの研究に対し支援業務の役割を担っていますので利益を得ることはありません。しいて言えば医療機関に研究を依頼するのは研究者である医師本人ということになります。
研究に参加するメリットは何か?
研究に参加された医師にとっては、研究者として治療法についての新たなEvidenceを作ったという実績が得られます。また学会(A-TOP Annual meeting)及び年会に参加することによる最新情報の入手、研究費の助成等が受けられます。
この研究によって誰がメリットを得るのか?
医療に携わられる医師や、治療を受けられる患者さんに対し、メリットが生まれます。今回の研究は、医師自身で治療のEvidenceを得ることを目的としており、そのEvidenceは診療における医師の治療選択に対する情報として使用され、多くの骨粗鬆症患者さんへのより良い治療の提供という形で還元されます。
研究はGCPの基準で行われるのか?
GCPの基準を視野に入れて行いますが、完全遵守の下に行うものではありません。医師主導型研究に対しては、現在厚生労働省を中心に運用方法に関する倫理的な基準作りが行われています。しかしながら現段階では明確な法的な基準がありません。そのためこの研究会では、世界的に用いられているヘルシンキ宣言や現行のGCP基準を参考として、患者さんの倫理性が確保され、かつ科学的である研究実施計画書を作成しています。
健康保険をもとにこのような研究を行うのはいかがなものか?
欧米ではEvidence取得は国主導のもとに大規模な予算が確保されて行われています。日本では少しずつ状況は改善しつつありますが、まだまだその状況になく、現在はこの形でお願いしています。

研究参加に関して

参加の条件は何か?何をすればよいのか?
研究にご参加いただくためには施設での倫理判定が必要です。また、患者さんを登録いただくためには「患者さんの文章による同意」を取得していただくこと、骨折の判定を行うため、胸・腰椎のX線写真を撮影いただけることが必要です。詳細は研究実施計画書に記載されており、それに則って研究を進めていただきます。
契約を結ぶのか?
医師主導型研究ですので、研究に関して、治験のように委受託契約を結ぶことはありません(A-TOP研究会-医療機関間、財団-医療機関間等での研究実施に関する契約締結はありません)。ただし、A-TOP研究では、データ収集に関し、データ収集業者を活用しておりますので、医療機関-データ収集業者間でデータ収集作業に関する覚書の締結が発生します。
どんな医師が参加できるのか?
骨粗鬆症の患者さんを日常的に診療されている先生方にご参加いただきたいと考えています。ただし 臨床研究を実施するために「患者さんの文章による同意」を取得していただくことが前提となります。また骨粗鬆症の診断を行うための骨塩定量、骨折の判定を行うための胸・腰椎のX線写真を撮影が実施いただける施設のご参加を希望します。
腰椎DEXAが施設にないが参加可能か?
骨塩定量は骨粗鬆症の確定診断のために必要です。MD法での参加も可能です(超音波法での参加は難しい状況です)。
インターネット環境は必要か?
必ずしも必要ではありません。被験者登録、割付等は、FAXで実施いたします。データ収集は、データ収集業者を派遣することで対応します。ただし、Eメールによるメールニュース配信やホームページ上での情報提供を随時行いますので、インターネット環境があれば、様々な情報取得には有効かと思います。
施設の目標例数はあるか?
ご施設のご都合によりますが、割付比較を行いますので、群の均一化のため、5〜10例を目安としてください。

インフォームドコンセントに関して

インフォームドコンセントの取得は必須か?
ランダム化比較臨床研究のため必須です。
なぜインフォームドコンセントが必須か?
今回の研究は、承認を得た市販の薬剤を用い、用法・用量の範疇で行いますが、ランダム化割付によって特定の治療法に固定されます(医師の治療法選択、患者さんの希望等で、治療群を選ぶことはできません)。また、個人のプライバシーは保護されていますが、患者さんの情報を利用することになりますので、患者さんにはその旨をご了解いただく必要があるためです。
重篤な有害事象が発生した場合の対応は?インフォームドコンセントにはどう盛り込んであるか?
JOINTでは2年以上の臨床使用経験のある薬剤を用いており、未知の有害事象の発生頻度は少ないものと考えます。発生した有害事象は副作用救済基金の対象となります。
インフォームドコンセントが手間なのだが。
インフォームドコンセントの概略に関する動画ビデオを準備しております。
来院患者さんに啓蒙したいのだが。
A-TOPに関するポスター・パンフレットをご用意しております。

被験者登録・割付、データ収集に関して

新規の患者さんでなければならないか?
新規でなくても、既に他の薬剤(ただし、ビスフォスフォネート系薬剤以外)を服用している患者さんでも参加可能です(ビスフォスフォネート系薬剤を服用している場合は、6ヶ月間のウォッシュアウトあるいは他剤への切り替えが必要です)。
椎体骨折がない患者はエントリーできるか?
現在のJOINT研究では、既存椎体骨折がない場合でもエントリー可能です。詳しくは、それぞれの研究実施計画書を参照してください。
患者さんの飲み方で効果が変わってくるはずだが、コンプライアンスの確認手段は?
患者さんへのアンケート:4段階「ほとんど毎日」、「2/3以上」、「1/3〜2/3を服用」、「それ以下」を定期的に行っていただきます。
レントゲン写真の複写はどこが行うのか?
データ収集業者を通じて原本を回収させていただき、2〜3週間で検査センターにおいて複写し、原本を返却させていただきます。
途中で患者さんが中止を希望したらどうするか?
患者さんのご希望に従い、研究参加は中止いただきます。後に患者さんの許可が得られれば継続的に情報をいただきます。

治療薬に関して

治療薬で特定の銘柄の指定はあるのか?
ご施設で採用されている銘柄の治療薬を使用ください。
後発医薬品を使用することは可能か?
今回の研究で使用する治療薬で後発医薬品があり、既にご施設で使用している場合は、それをお使いください。
健康保険は適応できるのか?
すべての診断・治療・検査は保険適応の範囲内です。

有害事象報告に関して

割り付けられた治療により有害事象(副作用)が生じたらどうなるか?
A-TOPで行う臨床研究は厚生労働省の承認を得た治療薬を用い、用法・用量の範囲内で企画しています。そのため、有害事象(副作用)が生じた場合、施設の通常の手順に従って、厚生労働省や企業にご連絡下さい。同様の情報はあわせてA-TOP研究会にもお知らせ下さい。研究を継続すべきか否かの判断に使わせていただきます。

倫理判定に関して

倫理委員会やIRB:治験審査委員会で検討する必要があるか?
はい。この研究は患者さんを無作為割付して治療を行います。またプライバシーは保護されていますが、患者さんの情報を利用することになりますので、倫理委員会やIRBで検討し、医療機関の長の許可を必要とします。
倫理委員会やIRBのない施設ではどうしたらよいか?
次の3つの方法があります。
・日本骨粗鬆症学会/A-TOP研究会が依頼した倫理委員会の決議を医療機関の長が確認し、許諾判定する。
・近隣の倫理委員会(IRB)のある施設の倫理委員会に稟議を依頼し、許諾判定を受ける。
・骨粗鬆症財団の主催するIRBにご参加いただく。
”医療機関の長の判断”に関してもう少し詳しく説明してほしい。
JOINTは日本骨粗鬆症学会/A-TOP研究会が依頼した倫理委員会において”開業医の先生でご実施いただける範疇にあること”を前提に、実施判定をいただいております。この倫理判定に対し、医療機関の長が実施承認いただければ、ご参加可能となります。
医療機関の長の判断でよいのか?倫理判定は第3者が行うべきで、医療機関の長は院長:実施者である場合があり、実施者は倫理判定を行えないはずだが。
その通りです。JOINT-02は骨粗鬆症学会で依頼した第3者で構成される倫理委員会において倫理判定を別途行っています。医療機関の長である院長先生はその判定結果を施設の倫理委員会の代わりにご利用いただき、その結果に対して参加をご判断いただく役割を担われます。

今後のJOINTに関して

今後どんな研究計画が企画されるのか?
骨粗鬆症の患者さんに対し、至適な治療が実践されるために必要となる情報を得る研究計画を随時準備する予定です。

研究費に関して

研究費の助成額は?どのように支払われるか?
研究計画のとおり治療が続き、必要なデータが取得されれば、5万円/年/例を助成します(計画書どおりでない場合は、助成額減等の措置があります)。支払い方法は、施設会計への振り込み、研究専用口座の開設による振り込み、奨学寄付金による支払いがあります。詳細は、骨粗鬆症至適療法研究支援事業事務局まで問い合わせください。
研究費の使用に制限はあるか?
JOINT研究の実施に直接的・間接的に関わる項目(PC購入、学会参加費、患者さんへのお礼等)に関してご利用いただけます。
研究費を使用する際に注意すべきことは何か?
研究専用口座の開設による振り込みの場合、領収書として「PHRF」名称のものをおとり下さい。年1回の報告の際に必要となります(施設会計への振り込み、奨学寄付金による支払いの場合は不要です)。
患者さんへの謝礼はどのように考えればよいのか?
研究費にてテレフォンカード等の謝品をご購入しお渡しいただくか、謝金を直接お渡しいただくことも可能です。具体的事例に関しては別途説明させていただきます。
治療は保険の範囲内であるため、謝礼は行いにくいのだがどうすればよいか?
謝品・謝金に関してはA-TOPからは一律の基準は出しません。あくまでご施設の基準で、実施ください。

質問等の連絡先

公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター
骨粗鬆症至適療法研究支援事業事務局
〒169-0051東京都新宿区西早稲田1-1-7 3F
TEL:03-5287-2638  FAX:03-5287-2634  E-mail:a-top@csp.or.jp