Q&A

医師主導型研究に関して

医師主導型臨床研究とは?(最近の医師主導型臨床研究における問題とは?)
これまで臨床データの多くは製薬企業が主体となって、主として承認申請を目的とした治験および、製薬企業が行う市販後臨床研究でした。一方、実際の臨床で必要とされるデータ(Clinical Question)に回答を与える臨床研究は、なかなか行われないのが実状です。これに対し、医師が主体となって、Clinical Questionに対する実臨床データを得てゆく研究を“医師主導型臨床研究”と呼びます。すなわち、“医師主導型臨床研究”とは医師が主体となって行う研究のことを指し、企業が行う研究とは明確に区分されています。

 昨今、医師主導型臨床研究でありながら、企業が希望するテーマで、且つ企業の意思が強く反映した臨床研究を進め、不適切な研究資金の提供、企業社員による直接データ収集や解析関与などでデータの改ざんなど多くの研究不正問題が表面化し、製薬企業が薬事法の虚偽・誇大広告の疑いで刑事告発された事件がありました。不適切な資金運用、研究不正に加え、未熟な研究組織によるデータのずさんな管理を背景に起こした事件でした。

A-TOP研究も医師主導型臨床研究でありますが、JOINT-studyは、出資を受けた公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター(以下、支援事務局とする)が、研究代表者(折茂先生)と契約を結び、研究の独立性を担保して実施する医師主導型研究であり、公平・公明かつ中立的な評価を実現ならしめる組織体制のもとで行われています(当ホームページ組織の項参照)。そのため、資金やデータは独立した公的専門機関(公益財団法人、国立研究開発法人など)において、厳密に管理され、企業に所属する人がこれにアクセスすることは不可能であり、前述したような問題が生じることはありませんし、利益相反(Conflict of Interest:COI )も明確に管理されています。
JOINT-study研究の依頼者は誰か?
研究計画は日本骨粗鬆症学会/A-TOP研究会が企画しましたが、これらの団体がこの 研究により直接的な利益を得ることはありません。従いまして、治験における企業のように利潤を求める立場の依頼者にはなりません。また支援事務局もこの研究に対し、資金管理および支援業務の役割を担っておりますが、利益を得ることはありません。
すなわち、日本骨粗鬆症学会/A-TOP研究会が企画したJOINT-studyに参加を希望する医師(研究者)が、その所属する医療機関に研究実施の承認を依頼するのであって、研究の主体はご参加いただく先生ご本人ということになります。

JOINT-05研究への参加に関して

JOINT-05は今までのJOINT-studyと違うのですか?
JOINT-05 では、今までのA-TOP研究会の組織体制に加え、支援事務局が出資者と委受託契約を交わす契約臨床研究であり、明確なCOI管理を実現した、国内に誇れる医師主導臨床研究の実施システムを構築し、運用しています。
参加の条件は何か?何をすればよいのか?
JOINT-studyにご参加いただくためには施設での倫理委員会での承認が必要です。また、患者さんを登録いただくためには「患者さんの文章による同意」を取得していただくこと、骨折の判定を行うため、胸・腰椎のX線写真を撮影いただけることが必要です。
さらにJOINT-05では新たに、DXA法(躯幹骨・橈骨)またはRA法(MD法、DIP法、CXD法など、第2中手指を測定)で骨密度測定が可能であること、対象薬剤(週1回テリパラチド製剤、アレンドロネート製剤)の使用経験が豊富であることが必要となります。詳細は研究実施計画書に記載されており、それに則って研究を進めていただきます。
契約を結ぶのか?
今までのJOINT-studyでは委受託契約を結ぶことはありませんでしたが、JOINT-05では明確なCOI管理を実現するために、支援事務局-医療機関間での研究実施に関する契約を締結しております。それに加え、データ収集業者-医療機関間では、データ収集作業に関する覚書が、支援事務局-医療機関間では、研究費支払いに関する覚書が必要となり、それぞれ締結させていただきます。
DXAが施設にないが参加可能か?
JOINT-05 ではDXA法(躯幹骨・橈骨)またはRA法(MD法、DIP法、CXD法など、第2中手指を測定)で骨密度測定が可能であれば参加いただけます(超音波法では参加できません)。
インターネット環境は必要か?
JOINT-05 では、セキュリティ向上のため、データ収集にEDC(Electronic Data Capture)を導入いたします。そのため、被験者登録、割付等は、Web上で実施します。データ収集につきましてもEDCを活用しますので、インターネット環境が必須となります。EDCでは、回収されたデータ等の最新情報を確認することができます。
施設の目標例数はあるか?
ご施設の状況などによりますが、割付比較を行いますので、群の均一化のため、10例程度を目安としてください。

インフォームドコンセントに関して

インフォームドコンセントの取得は必須か?
ランダム化比較臨床研究のため必須です。
なぜインフォームドコンセントが必須か?
今回の研究は、承認を得た市販の薬剤を用い、用法・用量の範疇で行いますが、ランダム化割付によって特定の治療法に固定されます(医師の治療法選択、患者さんの希望等で、治療群を選ぶことはできません)。また、患者さんには決められた検査(X-P、血液、尿など)なども行います。個人のプライバシーは保護されていますが、患者さんの情報を利用することになりますので、患者さんにはその旨をご了解いただく必要があるためです。

被験者登録・割付、データ収集に関して

新規の患者さんでなければならないか?
JOINT-05 では、新規の患者さんでなくても、既に他の薬剤を服用している患者さんでも改めて休薬期間を設けることなく参加可能です。詳細は、プロトコールの「対象患者」の頁を確認してください。
データ収集はどのように行われるのか?
JOINT-05 では、データ収集のセキュリティ向上のため、EDC(Electronic Data Capture)を導入しました。原則、研究責任(担当)医師あるいは研究協力者がEDCにデータを入力していただきます。その他、ご不明な点は担当のデータ回収業者にお問い合わせください。
レントゲンフィルムの複写は必要か?
JOINT-05 では、原則、レントゲン画像については、電子媒体での回収をさせていただきますので、フィルムでの提供は必要ありません。
途中で患者さんが中止を希望したらどうするか?
患者さんのご希望に従い、研究参加は中止いただきます。

治療薬に関して

治療薬で特定の銘柄の指定はあるのか?
ご施設で採用されている銘柄の治療薬を使用ください。ただし、JOINT-05 のテリパラチド製剤は週1回製剤のみです。アレンドロネート製剤は複数の銘柄があり、剤型も適宜選択いただけます(2014年7月現在)。
後発医薬品を使用することは可能か?
今回の研究で使用する治療薬で後発医薬品があり、既にご施設で使用している場合は、それをお使いください。
健康保険は適応できるのか?
すべての診断・治療・検査は保険適応の範囲内です。

有害事象報告に関して

割り付けられた治療により有害事象*が生じたらどうなるか?
A-TOPで行う臨床研究は厚生労働省の承認を得た治療薬を用い、用法・用量の範囲内で企画しています。そのため、有害事象が生じた場合、施設の通常の手順に従って、厚生労働省や企業にご連絡下さい。同様の情報はあわせてA-TOP研究会にもお知らせ下さい。研究を継続すべきか否かの判断に使わせていただきます。
 *有害事象:割り付けられた治療薬を投与された際に生じるあらゆる好ましくない症状や徴候(検査値の異常を含む)

倫理判定に関して

研究の実施に際し、倫理委員会やIRB(治験審査委員会)で検討する必要があるか?
はい。この研究は患者さんを無作為割付して治療を行います。またプライバシーは保護されていますが、患者さんの情報を利用することになりますので、倫理委員会やIRBで検討し、医療機関の長の許可を必要とします。
倫理委員会やIRBのない施設ではどうしたらよいか?
次の3つの方法があります。
・日本骨粗鬆症学会/A-TOP研究会が依頼した倫理委員会の決議を医療機関の長が確認し、許諾判定する。
・近隣の倫理委員会(IRB)のある施設の倫理委員会に審議依頼し、許諾判定を受ける。
・骨粗鬆症財団の主催するIRBにご参加いただく。

研究費に関して

研究費の助成額は?どのように支払われるか?
研究計画のとおり治療が続き、必要なデータが取得されれば、8万円/例を助成します(データの回収状況や脱落等によっては、助成額減等の措置があります)。支払い方法は、施設会計への振り込みとなります。詳細は、骨粗鬆症至適療法(A-TOP)研究支援事業事務局まで問い合わせください。
研究費の使用に制限はあるか?
JOINT研究の実施に直接的・間接的に関わる項目(PC購入、学会参加費、参考書籍購入等)に関してご利用いただけます。
JOINT-05で、患者さんへの謝礼はどうなっているのか?
JOINT-05 では、患者の通院支援のために、謝品を準備いたします。通院頻度が異なりますので、割付群によって支給させていただく謝品の数量が異なります。具体的事例に関しては別途説明させていただきます。

質問等の連絡先

公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター
骨粗鬆症至適療法研究支援事業事務局
〒169-0051東京都新宿区西早稲田1-1-7 3F
TEL:03-5287-2638  FAX:03-5287-2634  E-mail:a-top@csp.or.jp